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資金調達の方法を知りたい!用途別・企業規模別で紹介
資金調達をする目的は、事業を拡大したり、事業の運転を維持したりするなどさまざまなものがあります。
事業を継続するためには、何らかの方法で資金調達をする必要があります。正しく効率的に行うには、企業規模と用途に照らし合わせて最適な方法を採らなければいけません。
そのためにも、資金調達にはどんな方法があるのか、そして自社の目的には何が適しているのか確認しましょう。
資金調達の方法は用途で異なる
事業資金の調達にはさまざまな方法がありますが、大きく分けると「融資」と「出資」があります。
「融資」と「出資」は用途で使い分ける
融資とは端的に言えば借金で、有利子にしろ無利子にしろ、いずれは返済をする必要があります。
一方、出資は返済の義務がありません。しかし、その審査が厳しかったり、出資者に経営権の一部を握られてしまったりするので、自由な経営が出来なくなる可能性があります。
何を目的に資金が必要なのかで、適した資金調達の方法は変わるので、用途ごとにどちらが適しているのか確認しましょう。
開業資金の調達には「出資」が良い
新規事業の立ち上げに用いる事業資金や、一から新しい会社を始めるための開業資金を調達する方法は、融資よりも出資のほうがいいでしょう。
融資では、もし新しく始めた事業が上手くいかなかった場合、返済をすることが難しくなります。
特に、新規事業であれば既存の事業や、もともとの企業資金で取り戻すことができるかもしれませんが、完全に新しい開業の場合はそうもいきません。
それに対して、出資であれば返済の義務がないので、不安を残さずスタートできます。
しかし、出資は簡単に受けられるものではないので、融資を選ばなければいけなくなるかもしれません。
一時的な資金調達には「融資」が良い
融資を受けるときは、無担保無保証人で受けられる日本政策金融公庫の新創業融資制度などの制度を受けるのもいいでしょう。
一方、入金がない期間の一時的な運営のためなどのためであれば、融資がいいでしょう。例えば、建築や印刷の業界では、仕事をしても入金自体は2~3か月後になることが多いです。
しかし、当然入金を待っている間にも、資材や人件費など、さまざまなランニングコストの支払いが求められます。
そういった一時的な期間をしのぐためであれば、いずれ入金がされ返済もできるので、融資でも問題ないでしょう。
用途で考える資金調達の使い分けは?
状況によりますが、「リターンがあるか不安な状態のもの」には出資で、「確実にリターンがあるが、一時的なキャッシュフローの都合により運転資金が足りない状態」には融資で、資金調達するのがいいでしょう。
企業規模別で考える資金調達
企業の規模によっても、適した資金調達の方法は異なります。
個人事業・中小企業の場合
まず、個人事業や中小企業の場合、自己資金や、親族、知人からの借り入れなど、身近なものに頼ることができるほか、公的金融機関の融資を受けることも視野に入れるべきです。
開業から一定期間たっていれば、上記の他に、銀行からの融資や信用金庫からの融資も受けられます。
また、銀行やノンバンクの行っている無担保かつ保証人が不要で、審査の甘いビジネスローンを視野に入れてもいいでしょう。しかし、金利が高く設定されているというデメリットがあります。
株式会社・合同会社の場合
次に、株式会社と合同会社の場合、それぞれ似ていますが、資金調達の一つである出資をした「出資者」の立ち位置が大きく変わることを留意しておきましょう。
株式会社では、出資者は経営者と分離しているため、株主総会で取締役に選任されなければ、業務に対しての介入はできません。
一方、合同会社では社員が出資者になるので、業務に対して迅速に対応できるというメリットがある一方で、経営に介入されることも当然あります。
さらに、株式会社では、出資者がもし取締役に任命されても、任期が10年と決まっていますが、合同会社では役員の任期は無期限です。
同じ出資という形をとっても、出資者の会社への関わり方が変化するので気をつけましょう。
上場企業の場合
上場企業の場合は、非上場時との資金調達に大きな違いがあることを把握しましょう。非上場時は、特定の人にのみ株を買ってもらうことができますが、上場すると、不特定多数に自社の株が公開されます。
自分で出資者を探す手間が省けるという大きなメリットがある一方、株式の発行数が多くなり、株式の希薄化が起き、これまでの株主に対してマイナスの作用が起きてしまうことを把握しましょう。
海外でビジネス展開するときの資金調達の方法
海外への事業展開にも、当然大きな資金が必要です。その資金調達の方法はさまざまですが、大きく分けると三つあります。
銀行からの融資
一つ目は、「銀行からの融資」です。実際の資金調達までの時間が早いので、時間面でストレスを感じることなくて済みます。
迅速な対応が必要な現場では、大きなメリットになるでしょう。しかし、審査が厳しいため、誰でも受けられるというものではないです。
銀行からの融資は、日本でも受けられますが、海外進出で特徴的な資金調達の方法の一つとして、「現地企業とのジョイントベンチャー」があります。
現地企業の持つ経営資産を用いて、企業提携社双方ともにメリットをもたらすことが目的ですが、確実に資産を得ることができます。
しかし、当然現地企業とのコネや信頼がないとできないので、すぐに行うのは難しいでしょう。
ベンチャーキャピタル
もう一つ、特徴的な資金調達の方法として挙げられるのが、「ベンチャーキャピタルからの出資」です。
ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業に出資し、その企業が成長した際に出資額よりも大きな利益を得ることを狙う、投資専門の会社のことです。
特に、ベンチャーキャピタルが多いのが、アメリカのシリコンバレーです。ここでは、無尽蔵なベンチャーキャピタルがあるというのが特徴で、それを求めて多くの海外で起業をしたい人々がシリコンバレーに目を向けています。
しかし、ベンチャーキャピタルはシリコンバレーにしかない、ということでは決してありません。しかし、シリコンバレーで資金調達をするときに意識するべき点は参考になるでしょう。
明確な将来へのビジョン、自社のアイデアが将来有望であることなどが求められるので、シリコンバレーに限らず、ベンチャーキャピタルからの資金調達を視野に入れるのであれば意識しましょう。
資金調達方法!3つの「ファイナンス」
会社の運営のための資金調達には、とても多くの方法がありますが、大きく、「アセット・ファイナンス」、「デッド・ファイナンス」、「エクイティ・ファイナンス」の三つに分けることができます。
それぞれ「会社の運営資金を得る」という目的には変わりませんが、どれも大きく異なる特徴があるので、自分にとってどの資金調達方法が適しているのか把握しましょう。
アセットファイナンス
まず、「アセット・ファイナンス」とは、会社の「資産」を何らかの形で「資金」に変えるというものです。
例えば、使っていない不動産や有価証券、無駄な在庫を売って資金に変えるといった形のある「有形資産」を売って資金にするほか、営業権のような「無形資産」を売って資金にする資金調達方法も含まれます。
また、売掛債権を売る「ファクタリング」もこれに含まれます。
デッドファイナンス
次に、「デッド・ファイナンス」とは、誰かから借りる「負債」によって資金調達する方法です。いわゆる融資はこれに当たります。
融資には、公的金融機関からの融資のほか、銀行からの融資、さらには知人や身内からの融資なども含まれます。いずれ返済をしなければいけないので、「デッド」という言葉が当てられています。
エクイティ・ファイナンス
そして、「エクイティ・ファイナンス」とは、会社に投資をしてもらう「資本」によって資金調達をする方法です。いわゆる出資はこれに当たります。
ベンチャーキャピタルやクラウドファンディング、個人投資家からの投資などが含まれており、デッド・ファイナンスと異なり返済の義務がありません。
しかし、返済の義務がないため、実際に出資を受けられるかどうかの審査が厳しかったり、出資までの時間が掛かったりなど、いくつかのデメリットもあります。
まとめ:特徴を把握して適した方法を採用する
事業を拡大したり継続したりして運営するための資金調達にはさまざまな方法がありますが、どれも審査が厳しかったり、返済時に利子が付いたりなど、メリットとデメリットが一緒に付いてきます。
それぞれの特徴を把握した上で自社に適した方法を採用するべきですが、中小企業やベンチャー、零細企業などはファクタリングを駆使して資金調達をするのがおすすめです。実際、多くに経営者がファクタリングをして資金調達をしています。